本番で実力を発揮させる、ただ1つの方法
学びの場の価値を高めるプラットフォームを提供する、
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生 隆洋のコラムです。
ICTを活用し、教育の新たな価値を生み出すことに挑む、その想いを語っていきます。
入試本番で実力通りの力が発揮できるか不安になるものです。
本番で力を発揮させる方法は、ただ1つの方法は、「練習を本番のようにやり、本番を練習のようにやる」ことです。日々の学習から試験本番を意識した学習法を行うことが大切なのです。
先日、沖縄訪問の際に、沖縄尚学高校で野球部監督の比嘉監督のお話を伺う機会がありました。比嘉監督は選抜大会で全国優勝をした際の監督で、どのようなトレーニングをしていたのかとの質問に対し、「まずは基礎トレーニングをしっかり行います。半分くらいの時間をかけます。」との事でした。そして、「実践練習では、選手たちにプレッシャーをかけた状況で練習させます。たとえばシートノックでは、20回連続でアウトになるまで、終われないという約束で練習します。途中で1回でもエラーすれば、また1からです。絶対にミスできないという状況を人工的に作り出すことで、本番に近い環境を練習の中で作ります。」との事でした。
この話を伺ったとき、大変共感と感銘を受けました。まさに、勉強においても同じだと感じたからです。
たとえば、授業中の小テストで、クラス全員満点をクラス目標にすることで、「自分がミスをしたら、自分のせいでクラス目標が達成できない!」というプレッシャーが全員にかけて臨みます。全員が緊張した中での小テストになり、ただの小テストなのに、緊張感が生まれます。他にも、日々の問題演習や小テストで連続正解記録や連続満点記録を目標にさせるなどさまざまな工夫を行います。あと、特に効果的だと感じたのが、1月以降の模試形式の演習で、制限時間を毎回10分短く設定して行うことです。見直しまで含めて確実に得点をするためには、効率良く時間を使わなければならないプレッシャーがかかります。
また、家庭での宿題をやるときも同じように本番に近いプレッシャーを感じられるように工夫します。制限時間を決めて全問正解を目指します。全問正解できなければ、自分にペナルティを課すなどプレッシャーをかけると効果的です。また、受験会場が静かで集中できるとは限りません。隣の人の鉛筆のカカカカッと言う音が激しかったり、近所が工事中でうるさかったりなどさまざまなノイズが想定されます。どんな環境でも実力が発揮できるトレーニングを練習段階から行うことが大切です。そういった観点からも勉強部屋ではなく、リビングでの学習はお勧めです。
受験勉強というと、理解する・覚えるなどのインプット系の学習に偏りがちですが、速く正確に確実に解答できるアウトプット系の学習(トレーニング)も同時に行うことで、本番に強い学力が身につくと思います。