夢の密度
学びの場の価値を高めるプラットフォームを提供する、
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生 隆洋のコラムです。
ICTを活用し、教育の新たな価値を生み出すことに挑む、その想いを語っていきます。
こどもと1対1でじっくり話をしてみると、意外な発見をすることがある。
小学生や中学生に将来何がしたいの? 何になりたいの?と振ってみると、多くのこどもは「まだわからない」との回答や、定番の「お花屋さん」「パン屋さん」「スポーツ選手」が返ってくる。ときには「サラリーマン!」という答えが私にとっては衝撃的だった。地域がらか「公務員」というのを聞いたほとんど記憶がない。
その中に、「iPS細胞のニュースを見て先端医療に興味を持ったので、医学部に進み、病気で困っている人を助けたいです。」とか、「サブプライム問題から金融工学に興味を持ったので将来はそういう方向の仕事がしたいです。」って答える小学生がいたのに驚く。
「すごい夢じゃん、だから勉強頑張っているんだね。友だちとかとも夢について話しているの?」と聞くと、「いや、あまり話さない。話合わないし。」という生徒の表情が印象に残っている。
小中学生というのは、大抵の場合、住んでいる地域のこどもたちが集まっている。家庭の教育方針や将来の夢など多様性に富んでいるが、反面、尖った具体的な目標を持っているこどもが少なかったり、何かに興味を持ち始めた時に、それを育む環境は限られていたりするように思う。これが、高校や大学、会社に入ると、同じ夢、興味関心を持った人の密度は上がる。
しかし、小中学生はその密度の小さい中で、何かのきっかけで生まれた小さな興味関心は育まれることなく、薄れていってしまうように思えてならない。
私は、「つながる、学習」というネットワークを構築することで、こどもたちが日々の学習や生活の中で生まれた小さな興味関心を育むインフラを創造したいと思っている。