COLUMN社長コラム

リアルタイム対戦型学習サービスでこどもの学習意欲を高める「学習プラットフォーム」を展開する
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生隆洋のコラムです。
「タブレット × ネットワーク × 教育」で教育の新たな価値の創造に挑む、その想いを語っていきます。

学習塾におけるDX

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現在の学習塾のおかれている環境を考える上で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による社会の変化を外すことはできません。はやり病の拡大で、学校の休校、緊急事態宣言により、学習環境の変化のみならず、保護者の働き方も大きく変化しております。折しも、政府が進めていた「働き方改革」を一気に、かつ革命的に加速させる変化が起こっていると思います。

この社会情勢を背景に、「学習塾におけるDX(Digital Transformation)」の情報収集や検討を加速する学習塾が増えているように実感しています。DXとは、「デジタル技術を利用した変革」です。この変革は、ビジネスモデルを変えるという要素が重要になります。

経済産業省のDXレポートによると、「多くの経営者が、将来の成長・競争力強化のために、デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変するDXの必要性について理解しているが、①既存システムが事業部門ごとに構築されて全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがされたりなど複雑化・ブラックボックス化している点、②DXを推進しようとしても現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかという点が課題となっている。この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、現在の3倍にあたる最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と報告されています。

このレポートのポイントはDXを進めなければ、成長できないのではなく損失が出るという警笛を鳴らしていることです。学習塾においても、DXの推進は企業の存続に大きな影響をもたらすと言えます。単に緊急避難的にデジタル技術を活用した学習塾と、今回のはやり病対策をきっかけにDXを推進させる学習塾とで、数年後に大きな差が生じるということです。

現在の学習塾を取り巻く環境は、学校の休校などで家庭のスマホやタブレットなどの端末普及やWi-Fi環境などインフラ整備が一気に進んだこと、オンラインで授業を受けることへの生徒や保護者の理解が進んだことに加え、現場の先生や保護者などのICTリテラシーが一気に上がったことが挙げられます。このDXの土台が整備された環境で、新たなビジネスモデルの構築や生産性の向上を推進するか、従来の学習塾形態に戻るのかで、大きく学習塾の未来は変わるのだと思います。

学習塾におけるDXを検討する上で、提供しているサービスのどのプロセスからDXを推進するのかが重要になります。例えば、授業のオンライン提供については、学力最上位層はオンライン授業の継続を比較的多くが希望しているのに対して、最上位以外のほとんど全員が通塾・対面授業を希望しているようです。むしろ多くの生徒にとって、今回の休校期間で、学校や学習塾という「リアルな場」の価値を再認識することになったと言えます。授業を単にオンライン提供することは、効果的な一手にはならない可能性があります。

学習塾にとって家庭学習管理と塾生保護者へのマーケティングは未開拓の領域のように思います。前者においては、学力向上において良質な授業や教材を提供することの他に、良質な家庭学習の担保が不可欠です。従来は通塾時の先生の働きかけで間接的に家庭学習を担保しようとしていましたが、DXにより直接家庭学習を担保できる可能性が出てきました。また後者の塾生保護者のマーケティングは、退塾防止のみならず口コミ力アップによる新規生増につながります。DXで塾生保護者と直接つながることで、新たなビジネスモデルの可能性が見えてきます。

この大きな社会変化のタイミングで成長につながる投資を推進できるか、今、求められているように思います。

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