COLUMN社長コラム

リアルタイム対戦型学習サービスでこどもの学習意欲を高める「学習プラットフォーム」を展開する
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生隆洋のコラムです。
「タブレット × ネットワーク × 教育」で教育の新たな価値の創造に挑む、その想いを語っていきます。

100年人生時代の教育の視座

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最近、「100年人生時代」という言葉をニュースや記事で目にすることが多くなったように思います。

ベストセラーで既に読まれた方も多いと思いますが、リンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット氏の著書で「LIFE SHIFT」で、衝撃的な数字が指摘されています。

それは、2007年に先進国で生まれた子どものうち、50%以上は105歳以上生きるというものです。100年以上前に生まれた子どもが105歳まで生きる確率は1%にも満たなかったのですが、この200年間で、平均寿命は10年に2~3年のペースで伸びてきているそうです。今20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が50%以上になると考えられています。日本でも、約30年後には100歳以上人口は100万人を突破する見込みで、2007年に生まれた子どもの50%は107歳以上生きる時代になります。

これは我々がニュースなどで耳にする、いわゆる超高齢化社会です。しかし、これからの未来を「超高齢化社会」ではなく「長寿社会」と捉えると見える景色が変わってくるように思います。

政府も昨年「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、今後の「長寿社会」にどう対応するかを議論し始めたようですが、議論の中身は、幼児教育無償化、待機児童解消や高等教育無償化、介護人材の確保と言った、以前から問題のあった内容を、場を変えて議論しているに過ぎないように見え、「長寿社会」に備えた議論の本質ではないように思います。

従来イメージのライフモデルは、20歳位までに教育を受け、20~65歳で働き、85歳位で人生を終える、つまり45年間働くために20年間教育を受け、45年間働いた蓄えで、引退後の20年間を生きるというものでした。105歳まで生きる社会を「超高齢化社会」というレンズで見ると、20年間教育を受け、45年間働いて、40年間の引退生活に備えるということになります。生産人口の減少や引退後の期間が延び、医療介護問題につながることになります。

しかし、45年間の労働の蓄えで引退後の40年間を賄える社会は現実的に難しく、そもそも最近の60代、70代の方を見ているとエネルギーに溢れていて、40年間もの引退生活に耐えられるようには思えません。すなわち、これからの社会では単に寿命が延びるだけではなく、精神的にも肉体的にもアクティブに活動できる期間が延びていくということなのです。

一方、「長寿社会」というレンズで見る社会では、長寿というGIFTを生かすため、人生の時々で一旦立ち止まり、自分を見つめなおしたり、新しい考えや技術を学んだり、新しい仲間から刺激を受けたりする変化に富んだライフモデルになる必要があります。「LIFE SHIFT」では、教育→仕事→引退という3ステージの人生から、教育・会社勤め・起業・フリーランス・遊び・探検・多様性のある人的ネットワーク形成など、複数のステージを自由に組み合わせるライフモデルにシフトする必要があると述べています。

学習塾業界においても、大学生アルバイトの減少にとどまらず、社員の自分探し転職や学び直しのために退職する社員の増加などの声をお聞きすることがあります。これからの時代には、柔軟な労働環境の提供についても検討する必要があると思います。また、65歳を超えて雇用する可能性に備えて、ベテラン社員の再教育や新たな活躍の場の創出なども本格的に検討する必要があるでしょう。一方でビジネスチャンスとしては、大人の学び直しの場や多様性のある人的ネットワーク提供の場の創出など、100年人生時代に対応したサービスがこれからの社会では求められるように思います。

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