COLUMN社長コラム

リアルタイム対戦型学習サービスでこどもの学習意欲を高める「学習プラットフォーム」を展開する
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生隆洋のコラムです。
「タブレット × ネットワーク × 教育」で教育の新たな価値の創造に挑む、その想いを語っていきます。

10対0 vs 0対10

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26歳で初めて校長(店長)を任せられるときに、エリアマネジャー(以下、AM)との面談で、「成績を上げるのに、先生と生徒の役割の比率は何対何んだ」と問いかけられた。その時、私は自信を持って、「10:0で先生の役割が極めて重要だと思います。」と答えた。だが、そのAMは、「全然だめ!俺は0:10で生徒がすべてだと思う。」と言った。

それから、3年くらい経った頃、そのAMの問いの真意が理解できたように感じてきた。

駆け出しのころの私は、授業そのものの質や密度を上げるのに必死で、さらに授業内では時間が足りず、確認テストやその追試、長時間の補習や個別対応でモーレツに成績を上げまくっていた。ただ、経験を積むにつれ、こどもたちの成績を真に上げるには、こどもたちに学ぶこと・目標を決めて挑戦すること・それを達成することの楽しさを知ってもらい、自らハードな学習に取り組む姿勢を身につけることが最短であり、力技で指導するよりもはるかに高い成果が上がることを確信するようになった。先生は、こどもたちにそうした気持ちを持たせるのが最大の役割であり、そう言った意味で10:0だと思った。

しかし、私がAMや事業部長としてスタッフを指導していると、多くの先生が授業や補習や個別対応を若さからくる無尽蔵なエネルギーに頼り成績を上げようと苦戦している現実に直面する。こどもは塾を頼り、家庭学習や宿題をやらなかったり、分からない問題をそのまま放置したり、先生に叱られないと勉強しなかったりということが頻発する。こどもが自ら学習することへの動機づけを十分にしないままの指導では、そのエネルギーは砂に水を撒くように消えて行ってしまうのである。そう言った意味で、0:10でこども自身の学習動機や家庭学習が極めて重要ということになる。

私は、冒頭の問いを「こどもの成績向上において、授業の役割と家庭学習の役割は何対何が適切か」というようにしてスタッフに伝えるようにしている。この問いに関する私の答えは「1:9」。授業は自主学習・家庭学習への動機づけのために行われるものであり、それが達成できない授業には大して価値がないことを伝えたいからだ。

え、なぜ、0:10ではないか?それは私が根っからの先生だからでしょうかね。この「1」に、先生としての誇りと価値を信じているからだと思います。

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